グリーンカード取得!アメリカ大使館面接の最新事情

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DV-2018のアメリカ大使館面接状況

2016年に実施されたグリーンカードの抽選プログラムDV-2018では、グリーンカードジェーピーから21名の当選者が輩出されました。

2017年の10月から進んだ面接も終盤となり、2018年9月でDV-2018の面接は終了します。グリーンカードジェーピーから当選された方のケースナンバーでは11,000番台が最も大きく、先日の8月6日に3名の方が面接を終えられました。

その中のお一人、Wさんが早速面接の状況についてお電話で連絡してくださいましたので、グリーンカードの最新面接状況としてレポートします。

DV-2018に当選した、とても気さくなWさん

DV-2018の当選者サポートを開始した2017年の5月、出張中だった私に一本の電話が。電話の主はDV-2018の当選者Wさん。基本的な当選者サポートの他にもオプションでの有料サポートも受けたいとの事でその相談で連絡をいただきました。

Wさんはとても気さくな方で、はじめてお話しした時からザックバランで親しみやすく、声の調子は明るくて、お話ししていて楽しくなるような方です。面接に向けての準備を段階的に進めながら、何度も電話で話す機会がありました。ご家族の事やお仕事の事、滞在していた外国のことなど色々なお話しを交えてWさんの人柄を知る事ができました。

そんなWさんの面接は2018年8月6日。当日はグリーンカードジェーピーからの当選者が他にも二組面接に臨んでいるはずなので、私も無事に面接が進むよう祈りながら、皆さんからのご報告を待っていました。

そして、さっそく7日にWさんからの電話が入りました。Wさんはいつもの明るい調子で「あきよしさ〜んこんにちは!」と変わりない様子でした。ひとまず無事に面接が進んだのだろうと安心しましたが、話を聞いているうちに、書類提出の段階で、その担当者からかなり酷い対応を受けたことが判明しました。

酷い担当者に当たってしまったWさん

「問題なく面接が終わりましたか?」という問いかけに「それが問題だらけで〜」とやや低めのトーンのWさん。私はサポート内容に何か不備があったのかと焦りましたが、どうやらそうではないようで、アメリカ大使館に入館後に感じたイヤな予感が的中してしまったらしいのです。

アメリカ大使館の面接については、同行取材をしたこともありますし、当選者の方に面接の様子をアンケートでご寄稿いただいているので、おおよその面接時間や、領事からの質問内容、対応なども把握できています。

公式情報となっている準備物や実際の提出物に関する大使館側の解釈なども解っているので、その情報を面接前の当選者の方に伝えています。そのおかげで、面接手続は平均的に20分程度で終了し、あまりのあっけなさに肩の力が一気に抜けたという感想が多いのです。

ところが今回Wさんは約2時間にも及ぶ面接手続となってしまったとのことで、そのほとんどの時間が第一段階である面接に関わる資料の提出と受領に費やされたらしいのです。

面接の手続は資料や書類の提出から始まり、その後に指紋採取、続いて領事との面談という具合に三段階で進みます。通常、最も時間を要するのは三段階目の領事との面接です。

まず、書類を提出するための窓口を案内されたWさんはベンチに座って順番待ちをしていた時、三つある窓口の二つは手際よくスイスイと短時間で提出手続が進んでいるのに、同じ手続とは思えないほど一人当たりの手続に時間が掛かっている窓口があることに気付きました。

その窓口に当たらなければいいけどなあ。そう思いながらそちらを見ると、怪訝な顔つきの日本人女性が担当していたらしいのですが、運の悪いことにWさんはその窓口に当たってしまったのです。ここからが前代未聞の悪質で非常識な窓口対応の始まりでした。

手続に含まれない子供のパスポート提出を求められる

資料を提出する窓口では、その後の面接がスムーズに行えるように配慮する目的からだと思いますが、提出資料の重ね順が指定され、ファイルに入れて提出するように指示されます。必要な資料や書類が漏れなく揃っているかどうか、それが問題なだけです。例えばこの段階で不足している資料があっても、後に提出すれば問題はないのです。

Wさんは二人のお子さんを家族に持つシングルマザーで、上のお子さんはアメリカの市民権を有しており、そもそも今回の手続には含めなくてよいのです。下のお子さんは3才で、Wさんの移住に伴う同時手続でグリーンカードを取得出来ます。つまり今回の手続ではWさんと3才のお子さんだけがグリーンカードの取得に必要な申請手続を行えばいいわけです。

ところが、Wさんが当たった「最悪な窓口」で、いきなり上のお子さんの資料提出を求められたのです。「戸籍を確認すると、今回の手続以外の子供がいますが、なぜ資料がないのか?」機械的な言い方もムッときますが冷静なWさんは「アメリカ出生なので今回の手続には彼の情報は元々含まれていないし、どこにも資料開示の必要性を示す情報はありませんでした」と、まっとうな回答を述べたそうなのです。ところが担当者は「は?ではその子がアメリカ出生であるとどこでどう説明できますか?家族であり、その子がアメリカ出生だと言うのであればパスポート提出しなければなりません。持参してないんですか?」先にも述べた通り、Wさんの主張が正当なのですから、今回の手続に含まれていない上の子供さんのパスポートなど提出不要なのです!ところが書類受付の担当者は「そんな基本資料も用意してこないで、あなたグリーンカードを取得する気はあるんですか?」と聞き捨てならないほどの余計な一言をWさんに浴びせてきたらしいのです。

戸籍抄本の原本がないことで長時間の追求

グリーンカード取得のために提出資料の一部として、戸籍抄本の翻訳と原本が必要なのですが、Wさんは翻訳のみ必要と勘違いして、原本を持参しなかったそうです。このケースも、後日郵送で提出することで不問となります。書類提出窓口でも普通は「不足している資料は速やかに郵送してください」と言われるくらいなのですが、ここでも窓口の担当者は不要な要求やWさんに対して個人的な感情をぶつけてきたそうです、この段階でWさんは原本を忘れてしまったのは自分のミスだし、この窓口に当たってしまった不運もあるし、どうにか話を前に進めようと努めたそうですが、「原本もないのに翻訳だけを提出して、この書類が何を根拠に翻訳されたのかをどうやって証明するのですか?」言うことは間違ってませんが、これが慇懃無礼と言うことです。戸籍抄本の原本がないことだけで数十分間もネチネチと担当者からのイヤミを聞かされる羽目になってしまったそうです。

海外渡航歴でも不要な追求を受ける

Wさんは仕事の関係で海外に出向く事が多く、上海にも中期、短期で数回の渡航履歴がありました。日本、アメリカ以外の国に12ヶ月以上の滞在歴があると、その国の警察証明が必要となりますが、Wさんの場合は12ヶ月に満たないため、中国の警察証明は不要です。ところが窓口の担当者はWさんのパスポートを見入った後に「何年何月からどのくらいの期間中国にいたのか?」と尋ねられたそうです。おおよそこのくらいの期間である答えると、またしてもその担当者は「自分が滞在した期間も覚えてないのか?」と無礼な言いようで、Wさんを睨み付けるような顔つきで余計な一言を浴びせたそうなのです。

3才の子供の資産証明の提出を要求される

今回グリーンカードの取得手続を進めるのはWさんと3才になるお子さんの二人です。DVプログラムでは応募時点で21才未満の子供がいる場合、必ず申請情報に含めなければなりませんし、Wさんのようなケースでは親子共にグリーンカードを取得するのが一般的で、面接に必要な資産証明については親御さんであるWさんの資産が十分であれば問題ありません。ところがまたしても窓口担当者はWさんに非常識な要求を突きつけてきたのです「あなたの残高証明は問題ないけど、子供の分はどこですか?」常識的に考えて、3才の子供が銀行口座を開設し、数百ドル預金していると考える人はいるのでしょうか?さすがにWさんもこの時は笑顔が消えたそうです。「この子は3才です、アメリカに移民しても私の保護下にあり、自活するわけでもないのに、その子供が資産を証明しなければならないとは不自然ではないでしょうか。」Wさんの解釈がまっとうなのです。事実、今まで数百人に面接のサポートを行いましたが、幼児の資産証明など求められたことは一度たりともありません。

この担当者が四角四面の慇懃無礼、非常識なだけなのです。この後もWさんは担当者から本来の手続に無関係なイヤミやなんくせを付けられたそうです。

その後の手続はにこやかに速やかに進む

Wさん曰く、このような担当者に当たってしまったのも不運だが、戸籍抄本を忘れてしまったという負い目のようなものもあり、グリーンカードが取得出来ないという最悪な事態は避けたいと思って、出来るだけにこやかに対応しました。もう途中からこの担当者は躁鬱か生理日のどちらかでイラついてるのだろうと考え、職権乱用ともパワハラとも取れる対応にも何とか堪えたのだそうです。

資料を提出し受理されるまでに2時間近くを費やし、その後の手続も心配になっていたそうですが、別の窓口での指紋採取も数分で終わり、続いて領事との面談です。実質的にはこの段階が俗に言う「面接」で、グリーンカード取得の手続では皆さんが緊張される段階です。

Wさんの呼ばれた窓口では白人男性が担当だったそうで、いくつかの簡単な質問に答えた後に「戸籍抄本を忘れたそうだけど、あなたとお子さん、それぞれの原本と翻訳書類を送ってくれれば問題ないよ」とにこやかに対応してくれたそうです。

提出段階で、あれほど無用な要求や提出を求められた他の資料については一切問われる事はなく、あまりにも短時間であっけなく面談が終わったので拍子抜けしてしまったそうです。

書類提出に関わる前代未聞の一部始終をWさんから聞いていると、その時の状況ややり取りが克明に伝わってきて、聞いている私もその担当者の態度と言いように腹が立ってきました。

しかし、この状況は今後もこの担当者が勤務して窓口に立っていると、同じような事が起こりえます。これからアメリカ大使館での面接が予定されている方には一つの情報として、中にはこんな人も業務にあたっているのだと、認識してもらえればと思い記事にしてみました。