グリーンカード当選後の必要書類 第3回

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今回で3回目の連載です。グリーンカード抽選プログラム(DVプログラム)に当選した後の必要書類と手続きについて説明します。

昨年グリーンカードの発給が行われたDV-2019の1月面接分から追加されたのが、面接の一部資料をデータ化してケンタッキー領事センター(KCC)に事前提出しなければならないという手続きです。

この資料のデータ化と提出は、紙の資料をスキャニングかスマホなどで撮影したファイルをメールに添付してKCCに送信するという、何とも原始的な方法で行うのですが、実に多くの問題点があり、この段階で面接に進めなくなっている、つまりケースが失効してしまった方が多数いるのは間違いありません。この問題点について解説します。

面接資料をデータ化してKCCにメールで送る

当初KCCからの通知は肝心な部分が説明されていないずさんな内容でした。グリーンカードの面接で必要な資料をデータ化して、メールで送る?添付ファイルは一度に送る事が出来る容量が30MBまで。警察証明書は開封厳禁の書類なのにどうやってデータ化するの?添付さえしてればファイル名は何でもいいのか?家族全員分を送る必要があるのか??

昨年11月に突然KCCから送られてきた「グリーンカード取得に必要な資料をデータにして提出しなさい」という内容の通知を読んで、頭の中が疑問符だらけになりました。

こんな手続き今までなかったのに、何かのスパム?フィッシング詐欺?

しかしどうやらこの通知内容は本物のようで、早速当選者のサポートで面接資料のデータ化と事前提出を行いました。

当初の通知では細かいルールが全くと言っていいほど設定されておらず、しかもメール添付で提出とは。警察証明についても何ら注意点など説明されていないし、開封してしまった人も多かったのではないかと思います。

おそらくこの手続きも一時的なもので、次のDVプログラムからは廃止されるだろうと思っていたのですが…。

DV-2020でも手続きは継続された

2019年5月以降にDS-260の登録を完了したDV-2020の当選者にはDV-2019の時点で曖昧だった説明も追加されて、この手続きは継続されました。

この手続きが継続されて私が最初に憤りを覚えたのは、追加された指示や提出方法の修正点から、明らかにDV-2019の面接に大勢の方が進めなかったであろう痕跡が垣間見えたからです。

前述の警察証明に関しても、開封してしまった人が多かったのでしょう。アップデートされた指示では「日本の警察証明は開封せず…」という説明が追加されていたのです。

それにしても、紙の資料をデータ化しなければいけないのは百歩譲って仕方ないとして、せめてフォーム形式で送信できるようにしてほしかった。

事前提出用にデータ化しなければならない資料

日本では2019年10月18日頃から当選者全員に対してケース ナンバーの大きさに関係なく、DS-260の登録が完了していない方にも この通知が送られてきています。また、その通知の内容も再び更新されており、 以前までの内容よりも細かく指示が追加されました。

DS-260の登録が完了したら、速やかに下記の資料を準備して、スキャニング かスマホなどで撮影して画像データを作成しましょう。

■下記資料は該当するすべての申請者に提出が求められています。

  1. パスポートの写真ページ(ご家族の場合は全員)
  2. 出生証明書(ご家族の場合は全員 原本と英訳)
  3. 16歳以上の方は警察証明書 ※1
  4. 婚姻の証明(該当の方)
  5. 結婚終了・離婚証明(該当の方)
  6. 自衛隊、軍隊に所属したことがある場合は軍務及び除隊記録
  7. 犯罪で有罪判決を受けた場合は、各裁判所記録の謄本と刑務所記録

※1:6ヶ月以上アメリカ以外の海外に滞在したことがある場合は、その 国の警察証明も必要です。

資料を準備するときの注意点

上記の資料は元々、該当する物を面接の際に提出すればよかったので、基本的にはパスポート、出生証明、警察証明が必須資料です。

結婚している場合でも、日本は戸籍抄本を翻訳すれば、それ一通で出生証明と婚姻の証明が併用して、面接の際に受理されていました。

ところがKCCの通知は全世界共通です。日本のような戸籍制度がない国だってあります。つまりKCCへの面接資料のデータ化と事前提出では、既婚の場合「出生証明」と「婚姻証明」を分けて作成しなければならないのです。実に不合理ですが、KCCの杓子定規に従うしかありません。

実際に戸籍抄本を翻訳しただけのファイルを送った場合、婚姻証明が提出されてないのでNG!と通知が来ます。

警察証明ですが、海外の警察証明も手配が意外と大変です。例えばカナダの警察証明は民間の会社に委託して取得しますが、この証明書はPDFもオマケについてきます。

日本の警察証明とは違って、海外の警察証明は開封しても問題ないものが多いのです。要するにカナダの警察証明は手配さえ出来ればデータ化の手間もないのです。

カナダは比較的簡単な手続きで警察証明を発行できますが、国によっては発行しても個人には送付できない。というところもあります。これではKCCに事前提出することも出来ませんね。この回避方法もKCCは何も説明していません

日本の警察証明は開封厳禁ですがデータ化しなければなりません。2通発行すればいいと思っていてもそれも出来ません。警察証明書は一つの要件について1通しか発行してもらう事ができません。ではどうすればいいのか?答えは簡単で、警察証明書の封筒の表裏をスキャニング、または撮影してデータ化すればいいのです。

資料をスキャニング・撮影する際の注意点

面接資料をデータ化する時、最も重要なのがデータの精度です。下記6つのポイントを理解して準備しましょう。

  1. 資料全体を入れる
  2. 資料の折れ曲りはきちんとのばす(判読性の保持)
  3. 背景は無地にする
  4. 日本の警察証明は未開封で封筒の表裏を撮影する
  5. 文字は必ず読むことが出来るようにする(判読性の保持)
  6. 自分の影が映り込まないようにする

素人に資料の精度を求めてデータを準備しろという指示にそもそも無理があるのに、きっちり準備出来なかったら「NGなので再提出」となります。しかもNG通知にはそのNG要因が明記されてません。とにかく上記ポイントをしっかり抑えて作成するしかないのです。

作成したデータのファイル名原則

このファイル名に関しても、元々は何の説明もルールもなかったのです。DV-2020の手続きからようやく明確な指示内容としてアップデートされました。

【ファイル名原則】
ケースナンバー_名前_名字_資料名.拡張子

【例】
2020AS00001234_Ken_Eijyu_Passport.pdf

【資料別英名表記例】
パスポート:Passport
出生証明原本:Birth_Certificate_J
出生証明翻訳:Birth_Certificate_E
警察証明(表):Police_Certificate_front
警察証明(裏):Police_Certificate_back
婚姻の証明原本:Marriage_Certificate_J
婚姻の証明翻訳:Marriage_Certificate_E
結婚終了原本:Marriage_Termination_J
結婚終了翻訳:Marriage_Termination_E
軍隊の記録:Military_Records

※上記で複数枚に分かれてしまう資料、例えば日本の警察証明は封筒を表裏でデータ化しますし、戸籍などでも複数ページに分かれている場合はファイル名の末尾に_1、_2と追加します。

KCCへの送信とメール添付の注意点

スマホなどでデジタル写真撮影した場合、Jpegフォーマットなので、そのまま使用できますが、iPhoneなどは設定でJpegフォーマットになっていない場合があるので注意が必要です。

作成した資料は、一度で送る事ができるデータの合計サイズが30MBまでです。Gmailなどは送信前に添付書類のサイズが表示されるので判断しやすいですが、確実にサイズを確かめる場合は写真データをパソコンなどに移してから確認しましょう。
合計データサイズが30MBを超える場合は一回で送るサイズを30MB以内にして、数回にわけて送らなければなりません。

メールの件名はケースナンバーだけ記入しましょう。間違えると手続きは進行しませんから注意してください。本文は何も記入せず、データのみ添付して送ってください。

この記事を読んで少しでも多くの方が、グリーンカードの面接資料の準備とデータ化、KCCへのメール送信に成功されることを願っています。

不安な方はグリーンカードジェーピーまでご連絡ください

グリーンカードの取得手続きに、この面接資料の一部データ化と、KCCへのメール送信手続きが追加されてから、この手続きで失敗して面接が回ってこない方が多くいます。

グリーンカードジェーピーの申請代行サービスで当選された方には、当選者サポートでしっかりとフォローしていますが、自分で応募し当選された方などからお問い合わせをいただくこともあります。

ご自身で手続きを進めるのが不安という場合は、グリーンカードジェーピーの当選者サポートまでご連絡ください。有料となりますが、今回説明した資料の翻訳や事前確認なども含めて総合的なサポートを提供します。