アメリカ移民一時停止とグリーンカードの現状

アメリカ移民一時停止とグリーンカードの現状

コロナウイルスの感染拡大で、移民ビザであるグリーンカード発給や、移民手続きにも影響が出ています。今回はそれらに関する情報をまとめました。

非移民ビザ、移民ビザ面接は一時停止しています

3月中旬にアメリカ大使館、領事館の非移民ビザ、移民ビザ面接が停止され、DV-2020の4月面接も行われませんでした。

ビザ業務の再開については明確になっていませんが、5月4日にアメリカ領事センター(USCISというアメリカ国内の領事局)の業務は再開しますので、その後コロナウイルスの終息を判断しながら、各国の大使館や領事館の業務も再開するのではないかと思われます。

アメリカ大使館情報「米国ビザ業務の一時停止についてのお知らせ」

DV-2021抽選は実施されるのか

日本時間の5月6日には昨年実施されたDV-2021の抽選結果も確認出来るようになりますが、この抽選がどうなるのかを懸念する声も多く聞かれるようになりました。

このことについて4月16日にアメリカ大使館ビザ課が日程変更をツイートしたという情報が入り、確認してみました。

ツイートの内容では抽選確認は一ヶ月延期され、6月6日からとなっています。DV-2021の申請プロセスにも影響はないと明言していますので、面接や発給手続きも進んでいくでしょう。

ちなみに、毎月15日に発表されているアメリカのビザ広報は、本日まで更新されていません。

これはアメリカがビザ発給を停止しているので、各国のアメリカ大使館や領事館、USCISも業務を停止しており、その影響でビザ広報も更新されていないのだと考えられます。

DV-2021に関連する情報はアメリカ国務省、USCIS、各国大使館情報でも、今のところアップデートは確認できません。

グリーンカードジェーピーでDV-2021に応募されたお客様の抽選結果は全て確認作業を行い、当選されたお客様には当選の吉報と当選やサポートのご案内をメールでご案内いたします。

DVプログラム抽選確認ESC(Electronic Diversity VisaEntrant Status Check)

トランプ大統領が移民ビザ発給を一時停止と発言

アメリカへの移民に批判的なトランプ大統領のことなので、コロナウイルスの騒ぎに便乗して、移民政策に関して何らかの強硬姿勢を表してくると想定していましたが、やはりその動きがありました。

移民一時停止トランプ発言のTwitter

最新の情報ではアメリカ時間の4月22日に大統領令に署名、ひとまず60日間アメリカへの移民を停止するというものです。しかし早くも裁判所で大統領令の効力が停止されるのではないかと報じられています。

経緯的に、アメリカ政府は3月、欧州からの外国人の米国渡航をほぼ禁止し、さらにコロナウイルス感染リスクを理由に、不法移民や亡命希望者の入国を阻止するため南部国境を事実上封鎖しました。

トランプ大統領は、2月の段階でアメリカは十分な対策を行っているから、コロナウイルスなど関係ないと公言しながらも、カリフォルニアやニューヨークで感染者が拡大し、問題が表面化すると態度を一変。新型コロナウイルスを口実に不法移民の取り締まりを厳しくするなど、トランプ大統領の移民政策はここぞとばかり、改めて強硬姿勢に傾いていたわけです。

トランプ氏の動きは予測していた

あえてここでは、トランプ大統領とはせず、「トランプ氏」と見出しにいれました。

コロナウイルス問題が火種となって、アメリカでは失業者がこの一ヶ月で1700万人を超えていますが、これは事実上トランプ大統領の国内雇用政策が失敗していたことを意味しているのです。

この失業者増加傾向を受けてのこともあり、コロナウイルスの問題終息を待たず、経済再開発言などをしてきたトランプ大統領の動きを見ていて、移民問題に言及してくる(移民の停止や廃止)と予測はしていました。

そのことについてマスコミの取材も受け、このタイミングで本日の毎日新聞夕刊に私の見解が掲載されました。

毎日新聞夕刊「カードの色は?」

アメリカ国内の失業者が1700万人を超えたということがコロナウイルス問題に起因していても、アメリカファーストを謳い、国内雇用の安定を公約としてきたトランプ大統領は結局その失敗を隠すために、移民問題を引き合いに出してきたのが見え見えなのです。

移民の一時停止はアメリカ時間4月22日の大統領令の署名で発動するという流れですが、すでにアメリカ国内では反発も広がっており、NATIONAL IMMIGRATION FORUMは「コロナウイルスの感染拡大阻止のため、まっ先に動き始めたのは移民の医療従事者である」と4月8日の段階で表明しており、アメリカを支える移民の立場を広く伝えています。

また、アメリカ国内で最も歴史のある、アメリカ市民自由連合(ACLU)も「トランプ大統領は国民の命を救うことよりも、反移民賛同者を煽ることに関心が高い」と表明しています。

いずれにしても明日には大統領令に署名となりますが、過去にも移民に対する保険加入の強要などで、裁判所が大統領令を凍結しており、今回もその行方を見ながら「移民の国アメリカ」の真意を見ていきたいと思います。