本場アメリカのAmazonで働いてみた。

本場アメリカのAmazonで働いてみた。

今回で3回目のエピソードをお届けするナオミスカイブルーさん。コロナ禍の2020年10月にアメリカに戻るためにカナダ経由で渡米しました。

前回のエピソードはこちら

そしてポートランド生活にも慣れてきた初冬の12月から、現地で働きはじめたのだとか。

選んだ仕事先は、今や知らない人はいないインターネット通販の最大手Amazon。近年ではAmazonの流通センターは日本各地に設立されていますが、ナオミスカイブルーさんはその日本のAmazonでも働いた経験があるそうです。

ところが同じAmazonでも日本と本場のアメリカとでは大きな違いもあるようです。そのあたりも含めて聞いてみました。

Amazonで働こうと思ったきっかけは?

ポートランドに移住してきて一ヶ月くらいは周辺の状況なども知るために出歩いたりしていました。そうするうちに以前住んでたニューヨークとポートランドの違いも色々と見えてきて、新しい仕事を見付けるにも情報を集める必要がありました。

11月になるとCOVID-19の感染拡大も再燃しはじめ、外出してもお店やジムも閉まってる状態で、ハロウインはシェアメイトとパーティーを開いたり、室内で楽しめることをしていました。

色々と話していると、シェアメイトの多くがリモートで仕事をしていたのですが、外出して仕事をしている人もいて、話を聞くとAmazonで働いていて、スタッフも増員していると聞いたんです。

私は日本でもAmazonの流通センターで働いた経験があり、仕事のイメージもつかみやすかったというのもあります。

日本の仕事探しと大きく違うところは?

仕事探しは基本的にオンラインで、今ではインディードが主流です。Amazonのエントリーももちろんオンラインです。

11月中旬くらいに手続きを行いましたが、申し込む際に基本的な情報としてIDを登録します。私は永住者としてグリーンカードやSSNなどの情報を登録しました。その後にオンラインでトレーニングビデオを見るという流れですね。

Amazonの様々な職種や仕事内容の説明があります。それは日本の現場でもよくある基本的なトレーニングだと思いますが、Amazonの場合は対面してそれらを説明するのではなくて、全てがオンラインで行われるのです。

一番ビックリしたのが、仕事の現場に銃を持った人が押し入ってきたらどうするか?という対応の仕方や、ハラスメントに関すること、LGBT(性的少数者)や国籍、人種についての説明など、日本では入社試験に出ないようなことについても動画での説明と理解の周知を行っていて、動画を見終わるとテストもあります。もちろんこれもオンラインです。

その後はじめて対面の手続きがあり、顔写真の撮影とドラッグテストを受けました。きちんと2メートルのソーシャルディスタンスを保って撮影してました。

通勤や勤務時間は?

住んでいるところから、Amazonの流通センターまではかなり遠くて、普通に車で走って30分くらいだと思います。バスだと何回も停留所に止まるので1時間半くらい掛かってしまいますね。

私の就業時間は夕方6時半から翌日の朝5時までで、週に4日の勤務です。週40時間ですね。12月のようなピークシーズンは残業もあって週60時間勤務になります。

Amazonで働いてみた感想は?

私は注文のあった商品のパッキングを担当してます。商品を棚に取りに行く状況を想像される方が多いと思いますし、日本のAmazonでは実際にそうしていましたが、ここでは様子が全く違います。

流通センター内はあらゆるものが自動化されていて、AIで管理されているようです。例えばパッキングするのも商品がこちらに動いてくるのです。コンベアベルトで大きな箱が流れてきて、その箱の中から一つずつ商品を取り出し、発送用の箱を作って梱包するという作業になっているんです。

Amazonの募集を教えてくれた友人は、全く別のエリアで商品をピッキングする作業をしていて、スピードが大切だと言ってました。

アメリカでは以前フレッドマイヤーというスーパーで働いていたこともあり、人々のコミュニケーションも活発で楽しかったです。ところがポートランドはちょっと雰囲気が違ってて、それもあってAmazonで働いてみようと思ったんですが、実際に働きはじめると居心地もいいし、とても働き安い環境です。今までの職歴中でもかなり上位です。

日本と比べて収入面での差は大きいですか?

最低賃金が州によっても違いますが、今回のAmazonは時給で15ドルくらい、クリスマスシーズンは2ドルプラスです。長期間続けると500ドルのボーナスもあるそうです。

収入面を日本と比較しても実質的はあまり変わらないと思います。生活に掛かるコストですが例えば家賃ですが、ポートランドに来て最初に住み始めたところが住人6人のシェアハウスでしたが、一月900ドルでした。これはさすがに高いなと思って、今のところに移りました。今はホストと二人住まいで650ドルです。東京でもシェアハウスに住んでましたが、家賃はポートランドがちょっと高いですね。

一番高いなと思うのは外食です。今はCOVID-19の影響で時間短縮営業やテイクアウト中心ですが、とにかくお店が閉まってる、これは東京とは比べものにならないほどです。

開いていても値段は高くて、ニューヨークよりも高いです。ニューヨークではファストフードから高級レストランまで、好みによって多くの中からお店を選べていました。ポートランドではそれほどバリエーションがないという印象です

例えば先日グルメサイトで評判のいいキッチンカーで、ケバブのサンドイッチを買ったんですけど、ビックリするぐらい小さいのにチップも込みで15ドル。高いなと思いました。

前回のインタビューからシェアハウスを引っ越し、Amazonで働きはじめたナオミスカイブルーさん。ポートランドでの生活にも慣れてきたということです。家賃や外食など物価は高いそうですが、その要因の一つとしてポートランドはアートが有名で、高級化しているようです。観光客をターゲットに外食も高い料金設定になっているのだとか。

そのポートランドも多くの商店やレストランが閉まり、時間短縮営業などを行っている状況が続いているようですが、ワクチンの接種も始まって温かくなってくる春には状況も好転している事を願っています。

今後も時折、ナオミスカイブルーさんの移住生活の様子をうかがっていきたいと思います。