ニューヨークの今(2021年2月2日)

ニューヨークの今(2021年2月2日)

Hello!アメリカンライフでは三度目の登場となる、ニューヨーク在住の栄さん。寒い季節になってCOVID-19の感染拡大が続き、インタビューの当日はアメリカの東部を冬の嵐が直撃し、市内にも40センチ以上の積雪があったということです。現在のニューヨークの日常を聞いてみました。

昨年の2月頃はNYでCOVID-19が急速に感染拡大しましたが、現在の状況は?

ニューヨーク市の人口は現在約840万人で、日本の都市と比較するとイメージしやすいと思いますが、東京都が約1400万人で、大阪府が約880万人です。人口で例えると大阪府とニューヨーク市は近いというイメージですね。

大阪府とニューヨーク市では地形や人口密集度も全く異なるので、都市の面積を比較しても参考値としては意味がないと思います。ただ同じくらいの人が密集する地域としてはニューヨークの方が圧倒的にCOVID-19の感染数や死者数は多いです。直近では1日の新規陽性者が約5,400人、死者数が96人となってますから、これだけでもアメリカと日本との違いはわかりますね。

ニューヨークは昨年のちょうどこの時期直後から急速にCOVID-19が急速に感染拡大して、それまでになかったほどのパニックが起こったので、あの悪夢の再来はどうあっても防ぎたいという意識が強くなってます。

わかりやすく例えるとCOVID-19以前や感染が増加しはじめた頃では、市中を見回しても誰もマスクなどしていないし、売ってもいないという状態でした。そもそもマスクをしている時点で、相当に重篤な感染症にかかっているという認識の方が強くて、日本みたいに予防のためにマスクをするという認識もなければ習慣もなかったです。

COVID-19の感染が急速に広がり、対応も出来ないような状況がすぐにニューヨークを包み込んで、とにかくすぐにできる自己防衛はマスクを付けることだ!そう思っても一般的にマスクを付ける文化がなかったから入手もできないという状況がありました。

その経験もあって、いまのニューヨークの街ではマスクをするのが当たり前となっているような状況です。

街の状況にも変化はありますか?

通りには沢山の飲食店が軒を連ねていて、中心部ではブロードウエイなどショービジネスも盛んです。ところが人が密集する劇場などは閉鎖しているので、ミュージカルなどは未だに公演できない状況です。

通りのレストランも現状は完全にクローズしています。ニューヨークでは行政命令で強制的に閉店となりますが、店内に入れない代わりに路上に仮設の屋台のようなものを作り風通しのよい状態ならOKということで沢山の屋台が並んでます。

これはクリスマスシーズンのリトルイタリーの状況ということです。福岡にある屋台村みたいですね。

栄さんが住んでいるウエストハーレム。現在の状況です。ビール会社のステラがスポンサーになっているので統一感のある屋台になってるようです。

今の状況にも変化があり、明るい兆しが見えてきました。地元のニュースでも伝わりましたが、2月14日から店内飲食が再開されます。但しCOVID-19の感染対策で席数の25%しか入店できないという制限が設けられます。例えば100席のキャパがあるレストランでは25人までしか店内で入れることができないということです。

PCR検査や学校の状況はどうですか?

COVID-19の感染者数はアメリカが最も多いのですが、対策も進んでます。ニューヨークでは通りの至る所にメディカルバスが停まっていて予約なしですぐに検査を受けることができます。

ちょうど今日は大雪が降っていて学校は休みになりましたが、現状では収容人数を制限するためにクラスの人数を分けています。20人のクラスなら、Aグループが10人でBグループも10人。そのクラスが1日おきに登校するということで実質的な収容人数を制限して接触機会を調整しています。

ワクチンの接種状況についても記事執筆中に現地ニュースで報道されました。連邦政府から地方自治体に予定よりも20%多くワクチンの供給が可能となっており、ワクチン接種の対象を飲食店の従業員、タクシーやライドシェアの運転手、発達障害者施設の関係者まで広げたそうです。

アメリカで生活していると感じるのが優先度と意思決定の早さ。今回のCOVID-19パンデミック下でも日本とは随分と違う対策が行われているようです。