DV-2020でグリーンカード当選。Sさんファミリー移住開始

DV-2020でグリーンカード当選。Sさんファミリー移住開始

今回は昨年の2020年6月25日にグアムに入国して、DV-2020のグリーンカードをアクティベートし、一年間の準備期間を経てニュージャージーに移住したSさんファミリーのお話しです。

DVプログラム応募のきっかけは家族旅行

Sさんファミリーは2017年に家族旅行でアメリカを訪れたのがきっかけで、DVプログラムに応募を始めたそうです。奥様が学生時代にホームステイしていたホストファミリーを訪ねてニュージャージーなどで過ごしたそうですが、その時にご主人が住んでみたい!とアメリカ生活に興味を持ち始めて、その年に実施されたDV-2019に応募されたのでした。惜しくもその結果は落選でしたが、DVプログラムの抽選でなかなか当たるものでもないだろし、当ったらいつか移住できたらいいなくらいの軽い気持ちだったそうで、まさか2回目の応募で当選するとは思っていなかったそうです。

そうなんです、DVプログラムは十年以上応募し続けても当たらない方もいれば、一回目の応募で当選される方もいる無作為抽選なのです。抽選結果の画面を見て、当選を知った時に放心状態になってしまった、夢のようでしばらく実感がわかなかったという声もよく聞きます。

ケースナンバーが比較的小さく2020年2月に面接を終えましたが、同じタイミングでコロナウイルスの急速な感染拡大による入国制限や、当時のアメリカ大統領トランプ氏の発令した大統領令で移民が停止されてしまい、渡米できずに移民ビザの有効期限切れが迫る中、2020年6月25日に成田からグアムへフライト。そして無事にグリーンカードのアクティベート(取得手続き)ができたのです。

関連ページ:グリーンカード当選者コロナ禍のアメリカ入国

カリフォルニアにコンドミニアム購入

帰国後にアメリカ移住の準備をすすめる中で、英語のスキルは当然のごとくテーマとなったそうですが、こればかりはすぐにどうにかなるものでもなく、学習も慣れも必要ですし、上達にも個人差がありますから家族各々の努力しかない。

特にご家族での移住となると大きな問題は語学力以外にいくつかあり、まずは住居の問題。日本にも住まいはあるけど移住となると大きな整理が必要です。

アメリカでの選択肢としては借りるか買うかとなるわけですが、Sさん夫妻の選択は「買う」ことでした。遠く離れたアメリカの知らない土地に家を買うというのはかなりハードルが高そうですし、現地での下見や周辺環境も気になります。ましてやコロナ禍もあって気軽に現地視察というわけにもいきません。

Sさん夫妻はご主人が海外不動産セミナーなどに参加し人脈や住宅探しに関する情報を集めており、奥様はインターネットを駆使して周辺の環境や娘さんのために学校の情報なども細かく調べた上で、日本人が多く、仕事も見つけやすそうだと思われるカリフォルニアを中心に様々な物件を探したそうです。

しかし良さそうな物件は動きも早く、めぼしい物件を見つけてもすぐに売れてしまい、思っていた以上に物件探しは難航したそうです。

それでも根気よく物件探しを続けるうちに、情報サイトの使い方を見直すなどコツも掴み、カリフォルニア州のオンタリオ空港近くのコンドミニアムを購入できたということです。

仕事をどうするかが最大の問題

ところが、移住前の準備段階でもう一つの大きな問題は仕事をどうするかということ。これはご夫婦とお子さんという家族構成だと、慎重に考えることになるのは当然ですし、DVプログラムに応募していた段階では、まさか1~2年で移住なんて考えてもいなかったので、アメリカに渡ったからと言って本当にそのまま問題なく定住できるのかも未知数です。

ご夫妻は色々と未来像も含めて考え、ご主人は勤め先に相談もしたそうですが、会社としても先がどうなるかわからない移住のために退職するということにはすんなり賛成もできない、ご家族のことも心配されるでしょうし、ご主人は会社の中でも重要な役割を担っているということもあり、引き止められたそうです。

そこでご主人は今の会社の仕事を続け、移民猶予期限までにご家族と一旦アメリカに入国。リモートで仕事をしながらリエントリーパーミット(再入国許可)の申請手続きを行い、手続き終了後に単身帰国して日本で仕事を続けながら、本格移住すべきかどうかを判断する意味も含めて合法的にリードタイムを確保するというプランを立てたそうです。

奥様は移住を機に勤めていた会社を退職、娘さんも日本の小学校からアメリカの学校に転入することにしたそうです。まずは奥様と娘さんがアメリカで移住生活を開始して、馴染んでいけるかどうか見極めてから最終的にアメリカに定住するかどうかを判断しようというプランです。

移住先はニュージャージー

グリーンカードのアクティベートから一年後にはアメリカに入国して移住を始めなければならないという計画のもと、コンドミニアムを購入したこともあり、当然移住先としてカリフォルニアを候補地としていたのですが、色々と考えた末に移住先はカリフォルニアから大陸を横断したニュージャージーに決定されたそうです。せっかく住宅まで購入していたのになぜなのでしょうか?

奥様曰く「私はアメリカには短期の留学経験はありました。長期間ではオーストラリアへのワーホリなど滞在した経験はありますが、移住となるとそこを本拠として生活することになります。娘は学校に通い、私も少し時間をかけて仕事も探すことになるでしょうし、帰国を前提とした短期間の滞在経験だけでは不十分だと思ったのです。

そこでアメリカ移住のきっかけともなったホストにも連絡をして色々と相談していると、ニュージャージーへの移住もありだと思うようになりました。コミュニケーションの要となる英語のスキルにも不安があり、日本とは全く異なる生活環境となるアメリカで暮らしていくには、現地に詳しい知り合いのアシストがあったほうがいいですし、ホストは何かとアドバイスしてくれて心強かったです。

移住先をニュージャージーに決めた時も、渡米前に現地にアパートを借りることにしましたが、その時も色々と助力してもらえて、とても助かりました。」

Sさんファミリーが住むことになったアパート。周辺は緑もいっぱいの落ち着いた環境とのこと。
キッチンにはホストファミリーがお出迎えの準備してくれていました。
近くにあるJOHN’S Friendly MARKET。地元の皆さんに愛されているお店で、ほぼ毎日行かれてるのだとか。
店内はこんな雰囲気。ほぼなんでも生鮮食品から雑貨までほぼなんでも揃っているそうです。
ところで、カリフォルニアで購入したコンドミニアムはどうなったのでしょうか?率直な疑問が浮かんだのでそのことについて尋ねてみると、賃貸物件として貸し出していて入居者もいるそうです。購入を検討して物件探しをしている時に実感されたそうですが、アメリカの不動産は流動性が高く、値上がりも見込めるので、定住することになれば売却して他の地域で買い直すのもありと考えられているそうです。

入国直後の再入国許可申請

Sさんファミリーがグリーンカードをアクティベートしてから、移住の準備を行う中で、リエントリーパーミットの申請手続きについても相談を受けていました。

Sさんファミリーのように本格的に移住開始するまでに数年かかるというケースも珍しいことではなく、現状のCOVID-19パンデミック下では移住を見合わせて数年間は日本で待機しておきたいという方もおられて、グリーンカードジェーピーではグリーンカード取得後のリエントリーパーミット申請のサポートもオプションサービスを設定しています。

今回は実務的な手続きはすべてご自身で行われるということで、申請書の内容確認や申請手順についてをご案内しました。

申請書はアメリカに入国する前に日本で作成を行い、アメリカ入国後すぐにポストオフィスでマネーオーダー(日本で言うところの郵便小為替)を購入して申請料金として添付、USCISの管轄機関へ発送したそうです。メール通知申請も同時に行い、その後通知や受領書の送付も受けたそうですが、近隣のUSCISオフィスでの生体認証手続きについては、まだ決定通知が届いていないということです。

COVID-19のパンデミックが鎮静してきているアメリカですが、役所の手続きはまだ遅延状態が続いているようで、通常時よりも手続きの進行に時間がかかっているのか、それともニュージャージーの地方都市ということもあって、都市部よりも時間がかかっているのか。いずれにしてもリエントリーパーミットの手続完了までにはもう少し時間がかかりそうですね。

通知が届いたら現地のオフィスで生体認証手続きを行い、許可証を受領したらご主人は一旦日本に帰国して、仕事を続けながら時間をかけて、ご家族とともに本格移住するかどうかの判断をしていくということです。

ご主人は日本の会社に在籍したままリモートで仕事を続けられているそうです。ニュージャージーと日本の時差は13時間。日本時間に合わせて仕事をされているそうで「こちらの午後2時ごろに起きて、夜8時から朝方まで仕事をして寝る、という昼夜逆転生活を送ってます。」とのこと。リエントリーパーミットの取得手続きが完了し、日本に帰国するまでこの生活が続くということで大変そうですが、頑張っていただきたいですね。

近くには木々の茂る緑いっぱいの公園もあります。
7月4日独立記念日。町内で行われたパレードの様子。町の穏やかな雰囲気も伝わってきます。
毎週日曜にはファーマーズマーケットが開かれていて、新鮮な野菜や手作りお菓子、お花、ビールなどが売られているそうです。

何はともあれ、グリーンカード取得後に約一年間をかけて移住計画を進め、それがやっと動き出したSさんファミリーの今後にも注目していきたいと思います。

居住地のニュージャージは写真からも自然が多くて、周辺の穏やかな雰囲気やのどかな休日の様子が伝わってきます。都市部の喧騒から離れてローカルな地域での移住生活。私も住んでみたいです!

奥様のSonokoさんはDVプログラム当選時から、現在の移住生活までご自身のブログでも綴られています。ご家族でのアメリカ移住をお考えの方は参考にしてみてはいかがでしょうか。
Sonokoさんのブログ「YOUは何しにアメリカへ?グリーンカードの抽選に当選して移住した家族のお話