DV-2020裁判に判決。9,095件のビザ発給命じる
- 2021.08.19
- DVプログラム グリーンカード当選関連情報
昨年9月の発給に間に合わなかった当選者を救済
昨年となりますが、2020年の9月30日までが発給期限だったDV-2020。本来なら期限までに全世界の当選者5万人に移民ビザが発給されるはずのDV-2020プログラムでは、2020年3月18日にアメリカ大使館での面接がキャンセルされ、4月からの面接が中止されました。その後4月23日にはトランプ前アメリカ大統領が移民停止の大統領令を発効し、2度の延長で移民手続きは2021年2月にバイデン現アメリカ大統領によってこの無効化が行われるまで続いたのです。
この期間中にDV移民ビザ発給の権利を得たにも関わらず、面接の手続きができずに移民ビザ取得のチャンスを失った当選者が世界中にいたのです。
なぜ移民ビザ発給が間に合わなかったのか
DV-2020の面接は、当時の裁判で9月4日に手続き再開となり、日本でも9月18日に事前手続きを終えていた当選者に面接の通知が行われました。しかし指定された面接日は9月25日、つまり通知から面接まで7日しかないという厳しい措置が執られたのです。
グリーンカードジェーピーでサポート中だった10数名の方も急遽この面接再開でグリーンカード取得の道筋が開かれたのですが、わずか7日に全国に4箇所しかない指定病院で健康診断を受診しなければなりませんでした。ところが東京のクリニックにはアメリカ大使館からDV-2020の対象者の受診は受け付けないようにとの通達が出ていたそうです。
グリーンカードジェーピーがサポート中だった当選者の中には、事前にビザ発給の僅かな可能性にを信じて健康診断を受診されていた方、東京のクリニックに受信拒否され東北から兵庫県のクリニックまで直談判に来られた方などもおられ、なんとか6名の方が必要な手続きを終えて面接を受け、移民ビザを得ることができたのです。
当時諦めずに僅かな可能性に掛けて行動したHさんのお話しを掲載しています。
しかし数名の方は健康診断を受診できず、面接に到達することができませんでした。
長年グリーンカードジェーピーで当選者の皆様をサポートしてきて、これほど無念だったことはありませんでした。
諦めなかったDV-2020当選者のYさんと支援を続けてくださったHさん
数名の方が面接のチャンスを失い、年度が終了してしまい私もかなり落胆しました。しかしそんな状況下でも当時噂されていたロールオーバーの可能性を信じて情報を集め続けた方がいました。Twitterや様々なサーチを駆使して、少しでも関連性のある情報を見つけると、すぐにグリーンカードジェーピーに連絡してくださっていました。
私もIT屋として鍛え上げたスキルで情報収集を行って時折Yさんとも共有していました。ロールオーバーの可能性を信じてひたすら前だけ見続けているYさんにチャンスが巡ってほしいと願い続けました。
そんな中、前述のHさんも継続中のワシントン地裁の裁判情報や弁護士事務所からの情報などを知らせてくれました。ご自身が大変な思いと苦労をしながら行動を尽くし、本当にギリギリのところで移民ビザを取得できたHさんは少しでもチャンスを逸してしまった役に立てばと、移民ビザ取得後も情報提供を続けてくださったのです。
ワシントンD.C.地方裁判所が9,095件のDV-2020ビザ発行を命じる
DV-2020の年度が終了して1年、バイデン大統領によって移民停止が解除されたものの、その後すぐにDV-2021の処理にも影響が出始め、提出したドキュメントデータの処理が滞り始め、面接に到達できない方が続出。KCCは電話にも出なくなりました。
このままDV-2020の悪夢が繰り返され、DV-2021の手続きも9月末で終了となるのか。10月からはDV-2022当選者の面接順が決まっていきます。時期的にはすでに本年度実施のDV-2023の受付も開始しており、多忙期を迎えているグリーンカードジェーピー。
毎日たくさんの方から問い合わせやご連絡を頂いているのですが、そんな中毎日チェックしているサーチ網の中から一つの見出しを発見しました。
2021年8月18日:Court Orders Biden Administration to issue 9,095 reserved 2020 Diversity Visas
これはもしかすると!他にも関連する情報を調べているところに、Yさんからも連絡がはいりました、そして続いてHさんからも2つの関連情報が寄せられました。間違いありませんDV-2020の未処理分9,095件がロールオーバーされたのです。
関連情報1:訴訟の詳細(INNOVATION LAW LAB)
関連情報2:2021年8月17日ワシントンD.C.地方裁判所判決の詳細PDF
詳細を読んでみると9,095件のビザは移民法に準拠してランダムな順で処理するとしており、ビザ発行のタイムラインについては数週間かけ検討するとなっています。
DV-2020で救済された方には今後国務省、あるいは各国大使館から通知が届くはずです。日本での手続きについては今後も新しい情報を掴み次第、ブログに概要をまとめていきます。
-
前の記事
DV-2023申込みの準備について 2021.08.11
-
次の記事
アメリカの自動車免許を取ったKさんのお話 2021.09.06