Shu Sakaeのニューヨーク不動産 Vol.1
- 2023.12.05
- アメリカ移住者の声「Hello!アメリカンライフ」
「Hello!アメリカンライフ」に度々ニューヨークからのレポートを寄せてくれる栄さん。(米国名:Shu, Sakae)ニューヨークの中心マンハッタンで暮らし、現地の不動産業界で20年以上のキャリアを持ち、賃貸物件、不動産販売、海外からの不動産投資案件なども取り扱っているニューヨーク不動産業界のエキスパート。
この特集ページで使っている多くの写真は栄さんのインスタグラムshusakae_nyからご提供いただきました。みなさんもフォローしてくださいね!shusakae_ny
人気再燃!ニューヨークの今。
昔、ニューヨークと言えば、栄さんの過去のエピソードでも紹介しているように、学生さんの留学先として人気のエリアが点在し、私の友人も覚えているだけで10人以上はニューヨークを留学先として、中長期で渡米していました。
ところが、2001年の911以降で東海岸の人気が低迷しはじめ、グリーンカードジェーピーへの問い合わせもカリフォルニア地域、ハワイ、グアムなどに関する事柄が多くなっていった傾向がありますが、2020年のトランプ氏敗北や、2021年アダムス市長の就任など、移民に寛容なニューヨークの息が吹き返し始めるとタイミングを同じくして当選者の方々や、これからグリーンカードの抽選に応募しようという永住希望者の方たちからニューヨークについて知りたい、という問い合わせが増加傾向にあります。
彼らの中にはそのずっと以前から、ニューヨークには興味を持っていて、旅行がきっかけで魅了されたという声を多く聞きます。その後留学したり、インターンを経験したり、または企業からの異動命令などで現地駐在した経験もあるという、ニューヨーク移住予備軍にあたる方たちもいれば、ニューヨークに憧れていたが未開の地という方もいます。
そこで今回は栄さんに現在のニューヨーク事情について様々な角度からのリアルな情報をお聞きして、レポートしていただき、回を分けてニューヨークの魅力や生活の様子、現在の状況や物価、住宅事情などをお聞きしながら、私の経験や知識も交えてご紹介したいと思います。
一回目の今回は、都市の雰囲気や規模感を知っていただくために、情報も多く、日頃馴染みのある日本最大の都市東京とニューヨークを比較しながらニューヨークの街を考察したいと思います。
ニューヨーク市と東京23区を比較してみましょう
まずはニューヨークについて街の規模感や雰囲気をイメージしやすいように、ざっくりと日本を代表する都市、東京と比べてきましょう。
一口にニューヨークと言っても広いもので、そこで暮らす人々の人種や出身国も多種多様。
私が個人的に日本でニューヨークをイメージするならズバリ東京だと感じます。日本にも他に大阪や名古屋など国際的にも知られている大都市はありますが、都市のイメージとして雰囲気や生活環境を見ると、一番近いのが東京です。
ニューヨーク市の広さは?
具体的な広さはニューヨーク市の陸地が約778k㎡です。東京の23区の面積が約618k㎡で、東京の都市部のほうがニューヨーク市の約80%ほどの広さです。つまりニューヨークのほうが若干広い。
ニューヨーク市の人口は?
そこにどのくらいの人が住んでいるかというと、ニューヨーク市の人口は約880万人。東京23区は約978万人(ニューヨーク市の人口は東京23区の約90%)なのでサイズ感でいうと東京23区のほうが過密状態ということになりますね。
ちなみに日本で二番目に大きな都市となる大阪は大阪府全体で人口が約880万人(面積はニューヨークの約2.5倍)となります。
ニューヨークの治安は?
日本にしてもアメリカにしても、都市部はその全体で一概に治安がいい、悪いという断定的なことは言えないのが特徴だと思いますが、実際のところどうなのでしょうか?
例えば東京でも高級住宅街と呼ばれる地域や、昼間人口と夜間人口に大きな差が生じる地域もありますね。それから主に都市部だと日常の足が電車やバスなどの公共交通を利用するマンションなどが多い地域では単身者が多かったり、郊外の方なら戸建ての住宅街に自動車を所有して暮らしている家族が多かったりしますが、東京23区でもより中央部に近い港区や中央区、外側に行くに連れて主に住宅地域が広がるように、人口密度やその構成層でも差が生じます。
一つ私の個人的な意見としては衛生環境に関しては、どの都市も日本のほうが圧倒的に良い状態だと思います。これは今では世界的にも高い評価を得ている事実ですね。とにかく日本の都市はゴミがちらかっていない、道路や公園、その他公共設備の管理状態が非常に衛生的です。そこに日本人の国民性も反映されて世界的にも治安がよいと言われているのは事実です。
ニューヨークはどうかといえば、例えば栄さんが長年住んでいるマンハッタンの地域は子どもたちも安心して暮らせるし、比較的穏やかで落ち着いた雰囲気で暮らしやすいそうです。
マンハッタンのシンボルとなるセントラルパークなどもほど近く、大抵の移動は電車で済むそうです。ただお子さんや家族連れでのお出かけでは車が必要ですが、ここでも日本との違いがあり、アメリカの場合は路上駐車がOKというところが多くて、東京のように家賃とガレージで居住費が割高という感じがない。そのあたりで割安感もあるかなとは感じます。
しかし、ニューヨークも例外ではなく、やはりちょっと路地を奥に入るだけで周囲の雰囲気はガラッと変わりますし、日本のように所得差はあっても住人にはあまり危険人物は存在しないというのではなく、空き家や非居住地域となっていることも多くて、人通りがない分、やはりそういうところは立ち入らないほうがいいし、とにかく夜間はむやみに出歩かないというのは常識です。
ただ、交番がないかわりにいつも街はパトロールしている警官(パトカー)も多いので、市街地ならさほど日本と変わらないと感じます。
それからニューヨークも他のアメリカの地域と同じように夜間は酒類の販売や飲食店での提供も禁止ですから、日本にように夜中でも若者や女性が飲み歩いているというようなことがないので、夜間は余計に人通りもなく出歩く目的もないと感じます。
ニューヨークだからといって特に不安に思うこともない。
日本でも非常識な時間帯に、非常識な場所にいれば、からまれたり?事件に遭遇する可能性は高いですよね。同様にNYでもこのルールは大事です。つまり、非常識な行動をしないことです。では何が非常識なのか?いつ、どこが非常識なゾーンなのか?
これは、文章やマップで区分して提示できる事ではないでしょう。
百聞は一見にしかずで、やはり実際に現地を歩いて、「あれ?何かここ雰囲気が良くないな…」「明らかに観光地や平穏な住宅街と違うな…」こういうことを感じたらそこはもう黄色信号、あるいは赤かもしれません。この感覚や察知する能力が大事ですね。これは意識すればできると思います。こういう感覚や察知能力を意識すれば、ニューヨーク以外でも、どこか他の海外旅行に行っても活かせると思います。
ありがたいことに、私は20年以上マンハッタンに住んでいますが、一度も被害にあった事はありません。(一度、夜中に地下鉄の中で泥酔して寝ている間に、鞄や財布が無くなったおバカな経験はあります…笑)自分の住む街で治安や地域性も分かっていますが、日ごろからやはり意識して非常識な時間帯に非常識な場所に行かないを心がけています。
私の娘はそれぞれ高校生、中学生です。今では自分で学校にも行きますし、交通機関も利用しています。こどもたちにも同じような事を話して、自衛心について学ばせています。
前述の通り、ニューヨークは警察の人員も多いですし、街のいたる所や駅構内でもパトロールや待機をしています。観光都市でもあるニューヨークを守る為です。
セントラルパークや他の公園は市民の憩いの場であり、夏場はピクニックを楽しんだり、子供から大人まで楽しく過ごせます。
さて、第一回目のお話はここまでです。ざっくりでしたがニューヨークの雰囲気を掴んでいただけたでしょうか。
次回は実際にニューヨークで暮らしていくにあたって、仕事や収入、物価など気になるお金について、現地での私や知人の状況を具体的に取り上げながらお話したいと思います。お楽しみに!
長年ニューヨークで暮らしている栄さんのリアルな声はさすがに説得力がありますね。
日本の人がステレオタイプで言ってるような極端に危険な(映画のシーンみたいな)あぶない雰囲気でもないということがおわかりいただけたと思います。緑や水辺など近くに自然も多くて雑踏だけがニューヨークのイメージではなくなりますね。
さて、次回はそんなニューヨークで実際に暮らすにあたっての、お仕事や物価なども交えて、ニューヨークの住環境にもフォーカスしていきます。「Shu Sakaeのニューヨーク不動産」次回をお楽しみに!
【読者の皆様にお知らせ】今回からのニューヨーク特集では現地移住者のリアルな声と生活の模様をつぶさにレポートします。これをきっかけにニューヨークのことがもっと知りたくなった!レポートでは書かれていないけど、ニューヨークについて、またニューヨークの不動産事情について、もっと知りたい!という方から、栄さんに質問を募集しています。お問い合わせはグリーンカードジェーピーの「お問い合わせ」ページからお名前、年齢、質問内容をお寄せください。
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