ニューヨークで歳をとりたくて。
- 2023.12.14
- アメリカ移住者の声「Hello!アメリカンライフ」
グリーンカード抽選プログラムでの当選。
2020年、COVID-19パンデミック中にグリーンカードに当選し、2022年にアメリカに入国。ニューヨークに移住した映像作家のMito Ikedaと申します。私は、旅行で何度か訪れた冬のニューヨークでの思い出が忘れられず、帰国後に、どうしてもこの街で歳をとりたい!とニューヨークに恋するような状態になってしまいました。
自分の職業である映像や撮影などの技術を活かしてのアーティストビザ申請を調べている時にグリーンカード抽選の事を知り、ちょうどそのタイミングで応募期間だったので、その夜に申し込みました。
結果、半年後に抽選の発表があり当選を知りました。
当選の画面を見た時はunbelievable!!と驚愕でしかありませんでした。きっと外れていると思ったので興味本位で外れの画面を見にいったら、すごく丁寧な手紙風の文章だったので、あれ?と思いました。
その後だんだんと当選が現実になるにつれ、これは、この先あなたは望み通りニューヨークで歳をとりなさいという事だとすんなりと受け入れるようになりました。
2020 年はDV申請や大使館面接はパンデミックによる遅延に次ぐ遅延で、本当に大使館面接で自分の順番が回ってくるのかと不安な時期もありましたが、グリーンカードジェーピーさん、移民弁護士さんやパラリーガルさんにお世話になり、最終的には何の問題もなく移住まで進める事ができました。
ニューヨークで暮らすことを決意した体験
決意のきっかけになった冬のニューヨークの思い出たち。今思えば、私の中でも日常となった体験でした。
その時はたくさん雪が降っていて、ホテルがあったマンハッタン のBowery近くのWhole Foods Marketで、突然、横にいるおじいさんに、このジャム美味しいんだよ、と勧められた事(スーパーで話しかけてくる人はNYあるあるですが、その時はびっくりしました)
月がきれいだよ!って信号待ちの男の人に夜空を指差しながら言われた事。
Met Museum のカフェの店員の女の人がさっき見た絵にそっくりだったこと。
超イケメンのラブラブなゲイカップルのことは周りの誰もが気にしない。(私は気になって仕方ありませんでした)
小さなジャズバーの知らないミュージシャンの演奏が凄すぎたこと。
その思い出達は挙げたらキリがありませんが全てがニューヨークの輝きになっていました。そして、そのエネルギー達の後押しで、今は私もこの街の一員です。
Umbelievable 私のニューヨーク物語
私は、2022年春にアメリカ移住を開始しています。ニューヨークに来たのは2月のまだ寒い雪の降った日でした。アパートの前にスーツケースと段ボール達を置いてたら、近所の子供のオウムが逃げてきて、私のアパートの玄関の屋根に居たのをお母さんと3人で捕まえました。初日から変わった経験です。今もちょくちょく想像もつかない信じられないような出来事が起こります。
そんな出来事を少し具体的にお話しますと、なんとこのアパートメントは入居1週間も経たないうちに退去することになりました。移住早々、ニューヨークのUmbelievableです。
原因は、NY 市のインスペクターと呼ばれる調査員(住居や飲食店などに違反がないか定期的にチェックしにくる人)からのベースメント(地下室)の使用状況の違反での退去命令です。出会って間もない同じ状況の人達と交換する情報は錯綜しましたが、本当に全員退去となりました。びっくりです。
私は2階部分の賃貸契約をしており、そちらは特に違反はなかったようなのですが、一度全員が出るように促されました。個人的には、地下の部屋に5人以上の人々が住んでいた事もびっくりでした。出るように命令されてもNY市は特に他の住居を紹介してくれるわけでもありません。
このまだ寒い中、ただ人々を屋外に追い出すような雰囲気です。早速、エージェントを通しての返金手続き、そのあとは他の物件を紹介してもらい、マンハッタンのアッパーウエストサイドの素敵なアパートメントに引っ越すことになりました。
その数ヶ月後には、一時期勤めていた飲食店の屋上の店の電源設備部分に、ビルから落下してきた人(スーサイドと思われます)が直撃をしてしまい、店が1週間営業停止になったこと。その方もきっと迷惑をかけるつもりはなかったと思うのですが、勤めたばかりの私には給料の補填がなく辛かったです。
そして今の仕事は、ネットワークミーティングで知り合った人から紹介してもらったこと。様々なコミュニティーが機能しているニューヨークらしい経験となりました。(ネットワークミーティングは同業種の人がバーやラウンジなどで集って名刺交換をするようなフリーのイベントです。)
さらに今お付き合いしている彼とは、近所の魚屋さんの前で道を譲ってもらって知り合ったこと。ほんとうに日本では経験したことのないきっかけや体験が日常的に起こります。
NYの話としてよく聞くかもしれませんが、地下鉄内でパフォーマンスが立て続けに行われる事は日々の風景です。さっきまでアコーディオンで悲しげな歌を演奏していた男の人が降りて、突然スパイダーマン達によるつり革を使ったアクロバットが一通り終わったあとに、南米の人の太鼓が始まるみたいな感じです。元気な時は、やぁNYだね!などと思いますが、疲れてる時にはダイレクトに胃腸にひびきます(笑)
そして現在はようやく、そんな不思議でありえないニューヨークの生活が日常になってきました。
About the Author.
Artist, Mito Ikeda. Lilac Film 代表 Tokyo~2021, New York 2022~Present
Web: Mito Ikeda
Instagram: mitoikeda_lilacfilm
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