そもそもグリーンカードって何?アメリカ永住権との違いは?
まずは基本情報を押さえておきましょう。
アメリカ移民ビザとグリーンカード
アメリカに日本人がビザ(査証)なしで入国できるのは年間90日以内で目的は観光か商用と定められており、アメリカでの長期にわたる滞在や就労、就学、頻繁な出入国にはビザが必要となります。
米国ビザには「非移民ビザ」と「移民ビザ」があり、アメリカでの永住を希望する場合には「移民ビザ」が必要となります。
どんな時にどのビザが必要?または不要?
- アメリカに移住する(永住する)。
- アメリカのソーシャルセキュリティーの制限を解除して、職業を自由に選択できるようにする。
- 米国籍者と結婚しアメリカで暮らす。
移民ビザが必要
(グリーンカードを取得する)
- ハワイへ5日間の旅行
- フロリダでのビジネス会議に1週間出席
- 10日間ニューヨークへ古着の買付け
- アメリカ横断の旅2ヶ月
ビザは不要
(VWP/ESTA)
アメリカのVisa Waiver Program(ビザ免除プログラム:VWP)対象国の国籍者で有効なICパスポートと往復または次の目的地までの航空券・乗船券を所持し、渡米目的が短期の商用や観光であればビザなしで米国に90日以下の滞在が可能。事前にESTA認証が必要。
- ロサンゼルスへ1ヶ月の短期留学
- シカゴの取引先との商談で頻繁にアメリカと日本を行き来
- ボストンの大学へ入学
- アメリカ主要都市で音楽ツアーのため半年滞在
非移民ビザが必要
VWPに該当しない目的でアメリカに入国し、最終的にアメリカから出国することが前提となる。滞在中はビザで許可された以外の就労等は原則不可。
滞在可能期間は入国時に審査官が決める。非移民ビザはパスポートに貼られた状態で管理される。
移民ビザとグリーンカードの違い
移民ビザは米国に永久に居住する方のためのビザです。このビザは渡米前に取得しなければなりません。このビザで入国する際、入国が許可された時点で渡航者は米国永住者または条件付永住者の資格を得たことになります。永住・条件付永住者カード(グリーンカード)は米国の居住地に後日郵送されます。
移民ビザを取得し、米国における合法的永住資格(アメリカ永住権)の証明として与えられる「永住者カード」がいわゆる【グリーンカード】と呼ばれるものです。
グリーンカードのサンプル。カードデザインは定期的に変更されセキュリティが強化されています
グリーンカードを手に入れるには
グリーンカードは以下の方法で取得が可能です。
- 米国籍者と結婚する
米国籍者との婚姻はグリーンカードが確実に手に入れられる方法ではありますが出会いがないとどうしようもありません。 - 米国企業にスポンサーになってもらう
企業スポンサーによる取得は学歴や条件が特定される上に現在は取得そのものが非常に難しくなっており、時間もかなりかかります。 - グリーンカード抽選プログラム(DVプログラム)に応募、当選する
グリーンカード抽選プログラムDiversity Immigrant Visa Program(DVプログラム)は高卒以上・逮捕歴がない、など応募申請の敷居が大変低く、一定の条件を満たせばほとんどの方にグリーンカード取得のチャンスがあります。
グリーンカード抽選プログラムに応募しグリーンカードの取得には、DVプログラムの対象国で生まれていること、高校卒業以上の学歴があるか、または直近5年間のうち2年間の「職業」経験があり、かつ、その「職業」が2年間以上のトレーニングを必要とすると米国国務省が定義する職業であることが条件となります。また、申請する場合、ご本人だけではなく配偶者および21才未満の未婚の子供も同時に申請することが可能です。グリーンカードのカテゴリは本人がDV1,配偶者がDV2、子供は DV3となります。
この他にも、アメリカへ50〜100万ドルの投資やスポーツや芸術・研究等で卓越した能力を有する人物に向けたグリーンカード発給枠がありますが、万人に平等な永住権取得方法という意味ではグリーンカード抽選プログラムをおいて他に存在しません。
アメリカに制限なく入国・滞在し、就業の制約もなく自由に働く先を決められる。アメリカ永住を希望する人にとって最強のビザであり、これがあれば現地の人と同様に雇用してくれる所も多い。
アメリカの合法的永住者の身分証明として発給されるのが通称グリーンカード(I-551)というIDプラスチックカードです。正式名称は「Alien Registration Card(外国人登録証)」で、10年ごとに更新する必要があります。