アメリカの永住権がクジで当たるグリーンカード抽選プログラム「Diversity Immigrant Visa Program」。世界的にも特殊なこのビザ発給制度の特徴をご紹介します。
アメリカでの自由を約束するグリーンカードが抽選で当たる?!
アメリカでの無期限滞在・就業の自由を可能にするグリーンカード。アメリカで暮らす外国人にとって夢のビザであるグリーンカードについてアメリカはなんと「抽選」による発給枠を毎年用意しています。
この抽選グリーンカードプログラムは正式名称をDiversity Immigrant Visa Programといいますが、
- DV Program
- Green Card Lottery
- 永住権抽選プログラム
- DVプログラム
- グリーンカードロト
などの名称でも知られています。アメリカ国務省の応募案内でも「Diversity Visa Lottery」と表記され、Lottery(=くじ、抽選)であることが明言されています。
DV-20XXとは?
グリーンカード抽選プログラムについて調べたことのある方なら【DV-20XX】という表記を見かけることも多いと思います。
この【DV-20XX】、一体何を意味するかご存知ですか?
まず頭文字のDVは抽選プログラムの正式名称「Diversity Immigrant Visa Program」の略称です。
その後に続く数字4桁は西暦を表すのですが、この部分は応募年の「2年後」となっています。これは当選した場合、実際にグリーンカードを発給許可が出る年度を表しています。図で表すと以下の通りです。
DV-2026の場合
- 応募 2024年秋
- 当選発表 2025年5月
- グリーンカード許可(当選面接)
2025年10月〜2026年9月 - 自由の国 アメリカへ!
10月〜9月で1年とするのはアメリカの「会計年度」に沿っており、永住を許可しグリーンカードを発給する年度がDVの頭文字に続いて表現されています。DV-2026に応募の場合、アメリカ会計年度2026年(2025年10月〜2026年9月)の1年をかけて当選者は順に審査・面接と進みます。応募後すぐにアメリカに行けるのではなく、どれだけ早くても1年以降となりますので計画の参考にしてください。
なぜアメリカは抽選でグリーンカードを与えているのか
グリーンカード抽選プログラム(DVプログラム)は1990年、当時のGeorge H. W. Bush(ブッシュ大統領)により移民法 Immigration Act of 1990として制定されました。
DVプログラムの公式名称を和訳すると以下のようになります。
- Diversity:多様性
- Immigrant:移民
- Visa:ビザ
- Program:プログラム
このプログラムは過去にアメリカへ特定の国の移民が集中し移民のバランスに不均衡が生じたために、移民の多様化を目的として移民の比較的少ない国に対して抽選で年間5万件のグリーンカード(アメリカ永住権)を発行する制度として生まれました。
このためアメリカがすでに多くの移民を受け入れているメキシコ、イギリス、中国、韓国、インドなどの国で生まれた人には応募資格が与えられません。
「ダイバーシティ(多様性)」は今でこそ日本でもよく聞く言葉になりましたがこのDVプログラムはDV-1995が最初。もう25年以上続く、自由と移民の国アメリカらしい柔軟な制度といえます。
日本生まれの人にとっては応募資格が平易でグリーンカード取得までの手続きや取得後の維持も他の移民ビザカテゴリと比べるとずっとシンプル&安価。抽選実施がある間は必ず毎年応募しておくべきプログラムなのです。